YSS高性能冷間ダイス鋼 SLD-MAGICは、金型壽命の向上と、つくりやすさを両立した冷間ダイス鋼です。
鋼種 | SLD-MAGIC | 8%Cr鋼 | 10%Cr鋼 | SKD11 |
硬さ(HRC) | 60?62 | 61?63 | 59?61 | 58?60 |
耐摩耗性 | A | B | B | A |
表面処理性 ※1 | A | C | C | B |
靭性 | B | B | C | C |
被削性 | B+ | C | B | D |
熱処理変寸 | A | C | C | B |
溶接性 | B | B | C | C |
優A ? 劣D
※1 表面処理性は繰返しTD?CVD処理後のコーティング密著性についての評価
8%Cr鋼、10%Cr鋼とは、鋼の中に含まれている硬質な炭化物の量を減少させ被削性を改善したSKD11の改良鋼です。耐磨耗性や耐かじり性はSKD11より劣る。
使用事例 | ?自動車部品曲げ型?抜き型 ?家電部品抜き型 ?ハイドロフォーム型 ?冷間プレス |
SLD-MAGICはSKD11と同様の熱処理が可能です。
焼なまし硬さ | 焼入れ | 焼戻し | 硬さ(HRC) |
255HBW 以下 |
1010?1040°C 空冷 |
480?530°C 空冷 または 150?250°C 空冷 |
60HRC 以上 |
最高硬さ(60?62HRC)が得られる500°C前後の焼戻しで変寸が最小となり、高硬度と低変寸の両立が可能です。
SLD-MAGICはSKD11とほぼ同等の 経年変寸を示し、8%Cr鋼よりも変寸率は小さくなります 。
※A : 変寸少
※B : 最高硬さで変寸ゼロ付近
低溫焼戻しやサブゼロ?安定化処理※により経年変寸を小さくすることが可能です。
※経年変寸対策として、焼戻し後に250~450°Cの中 溫焼戻しを追加実施し、殘留オーステナイトを安定化 させる処理。
試験片サイズ:45T×90W×200L
焼入れ:1030°C
低溫焼戻し:180°C×2回
高溫焼戻し:520°C×2回
測定方向:L方向 6ヶ月経過後の変寸
※カタログ、HPに記載の事項は予告なく、変更することがございます。